大判例

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東京高等裁判所 昭和36年(う)2519号 判決

被告人 青木友二郎

〔抄 録〕

よつて按ずるに、原裁判所たる松戸簡易裁判所は千葉県押売等防止条例違反(第四条第二項第二条該当)の公訴事実に付審理し、公訴事実と同様の有罪の事実を認定した上、被告人に対し懲役六月の刑を言い渡したものであることは記録に徴して明らかであるところ、右公訴事実に基ずく犯罪は、裁判所法第三十三条第二項但書に列挙されている犯罪には該当しないのであるから、これに対しては簡易裁判所たる原審としては、禁錮以上の刑を科することはできない筋合であつて、若し審理の結果懲役に処するのを相当と認めた場合には、同条第三項刑事訴訟法第三百三十二条の定めるところに従い事件を管轄地方裁判所に移し審理をさせなければならない筈であつたといわなければならない。しかるに、原審がその挙に出でず前記の如く懲役刑を言い渡したのは、右裁判所法第三十三条第三項刑事訴訟法第三百三十二条に定められた訴訟手続に違反していることはもちろんであり、かかる違反がなかつたなら原判決の如き刑の言渡はなされなかつたであろうと認められるから、右違反は判決に影響を及ぼすことが明らかであるといわなければならない。

よつて、刑事訴訟法第三百九十七条第三百七十九条に則り原判決を破棄すべく、本件は当裁判所において直ちに判決をなすべき場合ではないと認められるので、同法第四百条本文によりこれを原裁判所に差し戻すべきものとし、主文のとおり判決する。

(三宅 東 井波)

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